日焼け止めの「SPF」と「PA」とは?違いと正しい選び方を徹底解説

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日焼け止め選びで誰もが迷う「SPF」と「PA」の疑問

夏の強い日差しはもちろん、年間を通じて健やかな肌を保つために欠かせないアイテムといえば「日焼け止め」です。しかし、ドラッグストアなどの店頭で日焼け止めを選ぼうとしたとき、パッケージに大きく書かれた「SPF50+」や「PA++++」といった英語や数字の羅列を見て、「なんとなく数字が大きい方が効きそう」「プラスが多いからこれにしよう」と、理由を知らずに選んでいませんか?

実は、これらの数値を正しく理解せずに日焼け止めを選んでしまうと、ライフスタイルに対して肌への負担が大きすぎたり、逆に防御力が足りずに紫外線ダメージを蓄積させてしまったりすることがあります。「SPF」と「PA」にはそれぞれ明確に異なる役割があり、私たちが浴びている「2種類の紫外線」に深く関係しています。今回は、初心者の方でももう迷わないよう、それぞれの意味と違い、そしてあなたの日常に合わせた正しい選び方をわかりやすく解説します。

日焼け止めの数値を理解する鍵:2つの紫外線「UV-A」と「UV-B」

日焼け止めの数値を読み解くためには、まず地球上に降り注ぎ、私たちの肌に影響を与える「2種類の紫外線」について知る必要があります。紫外線には「UV-A(紫外線A波)」と「UV-B(紫外線B波)」があり、それぞれ肌に与える影響やダメージの現れ方が全く異なります。

日焼け止めに記載されている「SPF」と「PA」は、この2つの紫外線からそれぞれ肌をどれだけ守れるかを示した指標です。つまり、紫外線の性質を知ることで、なぜ日焼け止めに2つの異なる基準が書かれているのかが自然と理解できるようになります。それぞれの紫外線の特徴について、詳しく見ていきましょう。

UV-A(紫外線A波):じわじわと肌の奥に届く「光老化」の原因

地表に届く紫外線の約9割を占めるのが、この「UV-A」です。UV-Aの最大の特徴は、波長が長いため、肌の表面だけでなくその奥にある「真皮層」にまでじわじわと到達するという点です。真皮層にあるコラーゲンやエラスチンといった、肌のハリや弾力を保つ大切な組織にダメージを与え、乾燥によるシワやハリ不足といった肌の「光老化」を引き起こす原因になります。

さらに厄介なことに、UV-Aは雲や家・オフィスの窓ガラスをも簡単に通り抜けてしまいます。そのため、曇りの日であっても、あるいは1日中室内にいる日であっても、知らず知らずのうちに肌に蓄積していくという特徴を持っています。

UV-B(紫外線B波):肌を赤く腫れらせる「急激な日焼け」の原因

地表に届く紫外線の約1割と量は少ないものの、UV-Aに比べて非常に強いエネルギーを持っているのが「UV-B」です。波長が短いため肌の奥までは届きませんが、肌の表面(表皮)に急激なダメージを与えます。

海やレジャーなどに行って数時間後に肌が真っ赤に腫れたり、ヒリヒリとした痛みを伴う日焼け(サンバーン)を起こしたりするのは、このUV-Bが主な原因です。また、肌の表面の細胞を傷つけることで、メラニン色素を過剰に作り出させ、将来的なシミやくすみの原因を誘発します。日差しを浴びた直後に目に見える変化が起きるのが、このUV-Bの特徴です。

「SPF」とは?UV-Bを防ぐ効果の基準

紫外線の種類が分かったところで、いよいよ本題である「SPF」の意味について解説します。SPFとは「Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)」の略で、主に肌の表面を赤く腫れらせる【UV-B(紫外線B波)】を防ぐ効果を表す指標です。

SPFの横に書かれている「10」や「30」「50」という数字は、日焼け止めの「強さ」を表しているのではなく、日焼けが始まるまでの「時間をどれだけ延ばせるか」という倍率を表しています。ここでは、その具体的な仕組みを見ていきましょう。

SPFの数字が持つ本当の意味と仕組み

例えば、何も肌に塗っていない状態で夏の強い日差しを浴びたとき、個人差はありますが約20分で肌が赤くなり始める人がいるとします。この人が「SPF30」の日焼け止めを適切な量で塗った場合、日焼けが始まるまでの時間を【20分 × 30倍 = 600分(約10時間)】遅らせることができる、という意味になります。

同じように「SPF50」であれば、【20分 × 50倍 = 1000分(約16時間)】防ぐことができるという計算になります。現在の日本の基準では、SPF50を超える非常に高い効果を持つものは一律で「SPF50+」と表記されるルールになっています。

「数字が大きいほど良い」とは限らない理由

数値の仕組みを知ると、「それならいつでもSPF50+を塗っておけば安心なのでは?」と思うかもしれません。しかし、一概にそうとは言えません。紫外線カット効果が高い製品は、それだけ紫外線吸収剤や散乱剤といった成分が多く配合されている傾向があり、デリケートな肌の方にとっては負担となって肌荒れや乾燥を招くことがあるからです。

日本の日常生活において、16時間も連続で強い直射日光を浴び続けるシーンはそう多くありません。大切なのは、その日のスケジュールや行く場所に合わせて、必要十分な数値をスマートに選ぶことです。

「PA」とは?UV-Aを防ぐ効果の基準

続いて、もう一つの指標である「PA」について解説します。PAとは「Protection Grade of UVA(プロテクショングレードオブUVA)」の略で、肌の奥深くまで届いてシワやハリ不足を招く【UV-A(紫外線A波)】を防ぐ効果を表す指標です。

PAはSPFのような数字ではなく、「+(プラス)」の数によって効果の度合いが表現されます。現在は以下の4段階に分類されており、プラスの数が多くなるほど、UV-Aを防ぐ効果がより高くなります。

PAの4段階の基準と目安

・PA+ :UV-A防御効果がある(日常生活での買い物など)
・PA++ :UV-A防御効果がかなりある(通勤・通学、軽い屋外活動など)
・PA+++ :UV-A防御効果が非常にある(長時間の屋外でのスポーツやレジャーなど)
・PA++++:UV-A防御効果が極めて高い(炎天下でのマリンスポーツや非常に日差しが強い場所など)

窓ガラスを通り抜けて室内にも入ってくるUV-Aを防ぐための指標であるため、デスクワークが中心の日や、おうち時間を過ごす日であっても、このPAの値を意識した日焼け止め(またはUVカット効果のある乳液)を塗っておくことが、健やかな肌を維持するための大切なポイントになります。

【シーン別】もう迷わない日焼け止めの正しい選び方

SPFとPAの意味が分かったら、実際の生活シーンに合わせて適切な日焼け止めを選べるようになりましょう。状況に応じたベストな選択基準を、わかりやすいテーブル(表)にまとめました。毎日のアイテム選びの参考にしてください。

利用シーン SPFの目安 PAの目安 具体的な状況の例
① 日常生活・おうち時間 SPF10 〜 20 PA+ 〜 PA++ 近所への買い物、洗濯物を干す、家の中でのデスクワーク
② 通勤・通学・軽い屋外活動 SPF20 〜 30 PA++ 〜 PA+++ 毎日の通勤や通学、短時間の散歩、日中のお出かけ
③ 炎天下でのレジャー・屋外スポーツ SPF40 〜 50+ PA+++ 〜 PA++++ 海水浴、キャンプ、テーマパーク、長時間の屋外部活動

このように、シーンに合わせて日焼け止めを「使い分ける」のが賢い美肌ケアです。例えば、肌がデリケートな日や普段の平日は「肌に優しい低数値の乳液タイプ」、休日に海や山へ行くときは「ウォータープルーフの高数値タイプ」というように、肌への負担と防御力のバランスをコントロールしましょう。

日焼け止めの効果を100%引き出すための正しい塗り方ルール

どんなに高機能な「SPF50+ / PA++++」の日焼け止めを選んでも、塗り方が間違っていれば、表記されている通りの効果を発揮することはできません。多くの人が、規定量よりもかなり少ない量しか塗れていないと言われています。ここでは効果を最大限に高める基本ルールを解説します。

ルール1:メーカーが推奨する「規定量」をしっかりと使う

日焼け止めの測定基準は、「肌1平方センチメートルあたり2mg」と世界的に定められています。これは実際に塗ってみると、思ったよりもかなり多い量です。顔全体に使用する場合の目安としては、液状のローションタイプであれば「1円玉玉2枚分」、クリームタイプであれば「パール粒2個分」の量が適切です。

もったいないからと薄く引き伸ばして塗ってしまうと、紫外線カット効果は半分以下にまで激減してしまいます。適量をしっかりと手に取り、顔の5点(額、両頬、鼻、顎)に置いてから、優しく丁寧になじませるように広げてください。

ルール2:2〜3時間おきに「塗り直す」

朝に一度しっかり塗ったからといって、1日中安心というわけではありません。日焼け止めは、時間の経過とともに分泌される汗や皮脂、衣服や手が顔に触れることによる摩擦、さらには涙やハンカチでの拭き取りによって、肌の表面から少しずつ剥がれ落ちていってしまいます。

日焼け止めの効果を維持するためには、季節を問わず「2〜3時間おき」に塗り直すのが理想です。メイクの上から塗り直すのが難しい場合は、UVカット効果のあるフェイスパウダーを重ねたり、スプレータイプの日焼け止めをさっと吹きかけたりするテクニックを活用すると、時短かつキレイに塗り直すことができます。

ルール3:塗り残しやすい「盲点パーツ」を意識する

顔全体に塗っているつもりでも、うっかり塗り忘れて日焼けしてしまう「盲点パーツ」がいくつかあります。特に以下の部分は意識して丁寧に重ねづけしましょう。

・髪の生え際、おでこの上部
・小鼻の脇や小鼻の下
・耳の後ろ、耳たぶ
・首の後ろ、うなじ(髪をアップにする方は特に注意)
・手の甲、足の甲(サンダルを履く季節)

これらのパーツは鏡で見落としがちですが、紫外線ダメージを受けやすい場所でもあります。顔を塗った手に残った日焼け止めを、そのまま首や耳へ優しくのばす習慣をつけましょう。

肌タイプ別・アイテム選びのアドバイス

日焼け止めには、数値だけでなく「ミルク」「ジェル」「クリーム」「スプレー」など、さまざまなテクスチャー(質感)があります。自分の肌質に合わせて選ぶことで、日中の心地よさが格段にアップします。

乾燥肌の方:保湿成分配合の「クリーム・ミルクタイプ」

日焼け止めを塗ると肌がパサついたり、粉を吹いたりしやすい乾燥肌の方は、セラミドやヒアルロン酸、スクワランなどの保湿成分が豊富に配合されたクリームタイプや、しっとりとした質感のミルクタイプがおすすめです。水分をしっかりと肌に留めながら、紫外線から守ってくれます。

脂性肌(オイリー肌)の方:さっぱりみずみずしい「ジェルタイプ」

日中のテカリやベタつきが気になる脂性肌の方は、油分が控えめで、みずみずしく肌にのびるジェルタイプやローションタイプが最適です。オイルフリーの処方のものや、皮脂を吸着してサラサラ感をキープしてくれる機能がついたアイテムを選ぶと、メイク崩れも防ぎやすくなります。

敏感肌の方:紫外線吸収剤フリーの「ノンケミカル処方」

新しい化粧品でピリピリしやすい敏感肌の方は、パッケージに「ノンケミカル」または「紫外線吸収剤不使用」と書かれた製品を選びましょう。紫外線を肌の上で化学反応させて処理する「紫外線吸収剤」ではなく、鏡のように紫外線を跳ね返す「紫外線散乱剤(酸化チタンや酸化亜鉛など)」が使われているため、肌への刺激が非常にマイルドで、赤ちゃんでも使える優しい設計のものが多くあります。

まとめ:数値の意味を知って、あなたに最適な紫外線対策を

日焼け止めに書かれている「SPF」と「PA」は、私たちの肌をさまざまなトラブルから守るための大切な道標です。肌の表面を赤くさせるUV-Bを防ぐSPFと、ガラスを透過してじわじわとエイジングダメージを与えるUV-Aを防ぐPA。この2つの違いを正しく理解していれば、もう店頭でどの製品を買うべきか迷うことはありません。

「常に一番強い数値」を求めるのではなく、毎日のスケジュールや自分の肌質に合わせて、引き算と足し算をしながらスマートにアイテムを選ぶことこそが、肌に負担をかけずに健やかさを保つ秘訣です。正しい数値選びと丁寧な塗り方を今日から実践して、環境に負けないみずみずしく整った素肌をキープしていきましょう!

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